2010年3月28日







花の咲く前。蕾。不思議な瞬間に立ち会えた。
春霞は、冬の枯れ葉が気温の上昇とともに空気中にホコリとして舞う現象。山の中に霞がかかり、一層ただならぬ雰囲気が漂う。人間が動物であったと感じられるのは触覚の針がふれる時だ。「来る!」まだ始まっていない期待と緊張。反比例するように、にぶい鈍痛と眠気の倦怠感も混じり、ぞくぞくする。私には分からなかったが、同行者達はツンと鼻につくにおいを感じとっていた。しかもこの時期にだけ感じる匂いだと言う。
曼荼羅のように核心に迫るため修行に沈潜する。これは、美術に置き換えることが出来るだろう。感覚が研ぎ澄まされていないと良いものが出来る気しない。作り手の核は、こういった瞬間を積み重ねること。
作品を紡ぎだすまで。自然は教えてくれる。
これは、学校の授業では分からない。