2011年3月8日

通過儀礼



今日はいつもお世話になっている学校の卒業式だった。また、私が講師となり、初めての卒業生とあってなんとも感慨深い。人を指導するというただでさえ難しいことに、毎度毎度、試行錯誤を繰り返していた新人教師を受け止めてくれた彼らの顔、一人ひとりを思い出す。
専門学校というのは、入学と同時に卒業後を考えなければならない。僅か二十足らずの学生が、一生の進路を決めなければならず、迷う時間さえ用意されていない。下手すれば、その道に乗らなければいけないんだと言う狭い認識の危機感すら感じてしまう。オリジナリティと言いつつも真の意味で、はみ出た人間は受け入れてはくれない。しかし、本当にそうだろうか。高速道路と化した世の中に、振り落とされぬようにしがみつかなければならないのか。確かに、自分に合う仕事などどこにもない。自分について悩み、探し、切り拓いていく道は、今から始まるのです。「どうやって」という工程ではなく、「なぜ」という真意を大切に。これからを一生懸命生ききって欲しい。
卒業、おめでとう。