2008年12月16日

ひれ酒



この時期、和食屋の目立たないところに密かに貼り付けて乾燥させてあるふぐのひれ。
コレをあぶって超熱に燗した日本酒を注ぎ蓋をする。香りが酒に移り、日本酒の楽しみが一つ増える。ひれ酒を見かけると「冬」という気がする。通ぶるおっさんはコレにマッチで火をつけようとする。
昔々の厨房では、永遠と続く注文の数と火事一歩手前の酒燗器の酒は爆発寸前。持ち手の安全性を失ったちろりは火傷の恐怖以外のナニモノでもない。
それを笑いも無く早く入れてと急かす料理人。

真剣勝負の舞台で戦った同志よ、今あの店はピークを迎えている。