2010年1月15日

例えば肉を喰うことは

姫沙羅



姫沙羅の木肌が美しい。霧氷が上品です。
日本人の信仰心は、高温多湿の森の中から始まる。直立不動の存在である樹木は、日本建築にも見られる「柱」となり、生活の中に強い印象を与える。植物の腐敗やそこから新たに芽生える生命は、過去・現在・未来という時間の精神性が伺える。神がヒトではなく何モノにも宿ると信じるようになったのには、風土が作り出すスピリチュアルな世界観が影響している。
一方で、自分を正当化するのは生きるために必要な要素である。何かのため、とでも思わなければ、罪の意識に苛まれてしまう。とある思想では、動物は人間に喰われるものと認めることで、人間は上位に立つことが出来た。

雪の中では、音も吸い込まれて、静寂が続く。
己の存在さえも疑わしく感じられ。